教育省(Department of Education)は4月6日、学資ローンの返済・利息加算・取立の一時停止期間を2022年8月31日まで延長することを発表した。これは、新型コロナウイルス感染症パンデミックによって影響を受けた経済が回復を見せ、感染件数が減少する一方で、元々の予定通りに2022年5月からローン返済を再開した場合、ローン利用者数百万人が多大な経済的困難に陥る可能性があることを受けて、一時停止の延長が不可欠とバイデン大統領が判断したことによる。ローン返済・利息加算・取立一時停止期間の延長により、学資ローン利用者には返済再開に向けた計画を立てる時間的猶予が与えられ、滞納・返済不履行リスクの縮小が期待されている。一方、教育省は、パンデミックによる学資ローン利用者への経済的影響の評価を継続し、円滑な返済再開への移行に向けた準備を進めることになる。なお、教育省によるその他の連邦学資援助関連取り組みにおける改善事項は以下の通り。

  • 公職者ローン返済免除(Public Service Loan Forgiveness:PSLF)プログラムの下で、10万人以上のローン利用者の負債総額64億ドルの返済を免除。
  • 障害を持つローン利用者40万人超の負債総額48億ドルの返済を免除。
  • ローン利用者約10万7,000人が申請したローン利用者保護申請総額20億ドルを許可。
  • 経営破綻したITT工科大学(ITT Technical Institute)に在籍していたローン利用者10万人超の負債総額12億6,000万ドルに対し、大学閉鎖に伴うローン返済免除を適用。

Department of Education, Biden-Harris Administration Extends Student Loan Pause Through August 31

https://www.ed.gov/news/press-releases/biden-harris-administration-extends-student-loan-pause-through-august-31

Inside Higher ED, Biden Extends Pause on Loan Repayment

https://www.insidehighered.com/news/2022/04/07/biden-extends-pause-loan-repayments